法律について

■「マッサージ師」という呼称
「マッサージ師」というのは誰もが名乗れるものではありません。資格が必要なものだとはお話ししたとおりですが、こちらは法律的な点からも何をもってして「マッサージ師」なのかが明確に定義されているのです。

法律で定義された「マッサージ師」は、あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許、そして柔道整復師。実はこれらのみとなるのです。きゆう師免許もはり師免許に含みますが、実は「マッサージ師」と名乗って良いのはこの三つだけなのです。

もちろんずれも国家資格ですので、取得するためにはそれ相応の努力・労力が必要になるのですが、では温浴施設等で行われている「マッサージ」は全てこれらの資格を持っているのかと言えば、実は違います。

法律的な区分けがこのような形で明確なものとなったため、近年では温浴施設等では「マッサージ」ではなく、「リラクゼーション」という名称で提供されるようになっているのです。

意識しなければなかなか違いに気付かない部分ですが、温浴施設ですとか、街にあるその手の「癒しサービス」を見てみると、「マッサージ」という文字が使われていない事に気付かされるはずです。「マッサージ」を行えるのは、先に挙げた国家資格保持者のみなのです。

国家資格を保持していない人間がマッサージを行うのは後述しますが「無資格療法」となってしまうのです。ですが「リラクゼーション」であれば、民間の資格でも可能なのです。

更に、リラクゼーションという名称は、多くの人が「マッサージ」を連想するものですので、サービスの内容そのものに於いては大きな差ではないとお客が認識する事になるのです。

■法的見地
このようなレトリックは、行政側からマッサージが法律的な見地から規定された事によるためです。

リラクゼーション施設で何が行なわれているのかと言えばマッサージに近いものですし、国家資格保持者が行うものがどのようなものなのかと言えばマッサージです。同じような行為ではありますが、法律的な側面から、「マッサージ」と名乗れるのは国家資格保持者のみという事です。

ですが、利用者からすると、今ここで言われて初めて「言われてみるとそうかも」と思った人の方が多いのではないでしょうか。

マッサージもリラクゼーションも同じような意味合いのものですし、温浴施設等で指圧を受ければ「マッサージしてもらった」と言う人が多いはずですが、それは法的見地から言えば「マッサージ」ではないという事になるのです。

行政側の、国家資格保持者に対しての優遇措置という事になるのですが、利用者の率直な声としては、「どちらでも変わらない」といったものかもしれません。利用者からすると些細な事ではありますが、当事者間に於いてはとても大きな問題なのです。